Eve 「僕らまだアンダーグラウンド」の歌詞からの考察(MV 少しだけ参考)

①歌詞考察

青髪=君=表面上の自分=ダーリン
=大人達の期待に応える優等生
(大人たちから、例えば、医者、弁護士、国家公務員…などになることを期待されている)

赤髪=僕=心の奥底の本当の自分=心の奥底の本当の夢(大人達から歓迎されない夢=例えば、お笑い芸人、俳優、歌手、ミュージシャン、漫画家…などかな)=バケモノ

貴方=(理想的な)未来

メインテーマ「自分で自分を諦めないで」
サブテーマ「人生は有限だ」

「ろくでもないバケモノなの」と「救いようのないバケモノなの」のみ、青髪のセリフで、あとは全て赤髪の言葉と考えました。

「僕だけでは貴方を満たせる事など無理かもしれないだけど」
夢だけでは理想の未来を得られないかもしれないけれど…
「君だけではどうにもこうにもできない事があるとするならば」
大人たちの言う通りする良い子なだけでは自分の理想の未来にたどり着けそうにないならば…

そんな風に毎晩自問自答している
のでしょう

「どうしようもないバケモノなの」心の奥底に歓迎されないとんでもない夢を隠し持っている自分を揶揄してる青髪のセリフ。
「その口を僕が今結んであげるから
ダーリンダーリン、愛しておくれ
自分の夢をばけものなんて言わないで
本当の自分を愛しておくれ
本当の夢を大切にしておくれ

「夢に見た日々は僕の証だった」
(例)ミュージシャンを夢見てギターばかり弾いていた日々は充実していて、自分が自分らしくいられる時間だった。

「冗談で言ったんじゃないとみんな嗤っていたんだ」
『ミュージシャンになる』って言ったら『お前なんかなれるわけないだろう!そんな冗談言ってる暇あるなら勉強しろ』とばかにされ、相手にされなかった。

「こんな街からさよなら」
自分の夢を大人に語るのはやめて、心の奥底にし舞い込もう→こんな街から怪物の住む街へ

「あの日から僕らは共犯者だった」
あの日=上記、自分の夢を心の奥底にし舞い込んだ日
青髪=本当の夢を隠して大人たちに従順な態度をとっている=大人たちに嘘をついているという罪
赤髪=その夢自体が大人たちにとって受け入れ難い罪
故に青髪と赤髪は共犯者

「ダーリンダーリン 示しておくれ」
自分の本当の夢を大人たちに伝え、その夢に向かって踏み出すなど、実際に行動をおこしておくれ
「最高のショーにしようぜ」
最高の人生にしようぜ
「胸の高鳴る方へ 喜劇的な世界が幕を開ける」
だから、自分が本当にワクワクするしたい事をしてごらん そうすれば楽しく喜びに溢れた世界が始まるから

「僕らまだアンダーグラウンド」

地上=大人になって自分が活躍するところ
アンダーグラウンド=地下=子ども時代=地上に出て活躍するまでの準備期間 種が地上に芽を出すまでのイメージ

僕らはまだ子どもで、どこのどんな地上に出るか、早々と決めてかかる必要はない。自分が出るべき地上を求めて、いろんな所を潜って探しに行く事だってまだまだできる。

「最終章の合図だ」
そうは言っても時間は有限だ
いつまでも心の中だけで考えてるわけにはいかない。子ども時代は終わってしまう

「後悔はないか」
自分の夢を叶えようともせず、大人たちの言いなりの人生を送ることに後悔はないか?
もし、行動を起こせば起こしたで、大人の大反対に合うだろうが、そうなっても後悔はないか?

「君の出番の時のようだ」
君自身が実際に行動を起こす(大人たちに本当の夢を伝え、その夢に向かって踏み出す)時がきた

「再上映はないから」
人生は一度きり 後で悔やんでもやり直しは出来ないから、

「もう目を背けることはないから」
自分の本当の夢から逃げないから
 
「ちょっと先の未来を」
私には赤髪も青髪も13~14歳位に見えますが、高校卒業するのは18歳、それまでに進路を決めて動き出さねばならないとして、あと4年位しかないわけですが、それはものすごく先の未来ではなく、もうすぐそこに迫ったちょっとだけ先の未来。その時どうするのかも考えなければならない…

「言えずにしまった思い」
大人たちに言えなかった本当の夢

「この先僕らはずっと 不完全なままだけど 思い出の中にもう帰らないように」
夢を叶えるためにどんなに一生懸命頑張っても、完全になんてなれないが、その不完全さに、自分自身で嫌気がさしたり、回りからそれを責められて嫌気がさしたりして、もういやだ、「子どもの頃はよかったな」なんて、子どもの頃の思い出に(怪物の住む街に)逃げないように、強い決意で夢に向かいたい



②歌詞考察を踏まえてのMV考察

歌詞にはないが、「MV で爆撃にあってるようなシーン」
青髪が大人たちに、もしも「自分が本当になりたいのはお笑い芸人で、医者になんかなりたくない!だから医学部なんか行かない!吉本に入るつもりだ!」とでも言ったらどうなるか?大人たちはどんな反応をするだろう?おそらく激怒し、「なんてこと言い出すんだ!」と激昂して平手打ちしたりするかもしれない。
この爆撃みたいなシーンはそんな、大人たちからの強烈な反対や圧力を比喩的に表しているのだと思いました。

青髪や赤髪も何かをぶち壊してるシーンがありますが、過去の自分を破壊して、未来に向かおうとする気持ちを表してるのかなと思いました。
この2つのシーンは、皆んなから良い子と思われてる表面上の自分も、心の中だけで夢を見ていた自分も、両方ぶち壊し、心のままに生きる自分になる決意を表していると考えました。

赤髪が電車に乗っていると、青髪も電車に乗っている。赤髪がリンゴを食べていると青髪もリンゴを食べている。
   この2つのシーンで、二人が同じ時間を生きていることを表し、また、同じ景色も、満たされていない心の中では違うように見えていることを、表していると考えました。


半分青髪で半分赤髪になるこのシーンで、二人が一人になった。つまり、心のままに生きる決意をしたことを表しているのだと思いました。


「血を吐くようなシーン」
最終章の合図だに連動し、人生は有限だと強調してるのかなと思いました。人生80年なんて何となく思ってるけど、明日事故で死んでしまうかも分からないわけで、だからこそ早く動き出さねばならないと暗示してるのかなと…。
また、彼は子どもではなく青年で、赤髪…ということは、本当の自分の夢を叶えようとしているところだと示している。部屋にギターがあったりするので、主人公の夢はミュージシャンだったとして描かれてるのかな…と思ったりしました。

こう考えれば、朝が降るの「怪獣の住む街に行けるのか」が、ただ夢を見ていただけの頃の自分に戻れるのか…に繋がると思うのですが…。

二人の目の前に現れた、ドラマツルギーを彷彿とさせる箱…。
人の書いたドラマの脇役を演じていたかの様な人生が、自分で書いた筋書きの、自分が主人公のドラマが始まる事を示唆してるように感じました。




③この楽曲にひそんでるEve 様の個人的な気持ちの推察

歌詞の言葉やMVから、この歌の主人公は、本当はやりたいと思ってる事を親から反対されてすっかり諦めている13〜4才の子だと考えたので、アンダーグラウンド=地下→種が地上に出るまで居る場所→子供時代を表し、地上→芽が出て花を咲かせる場所→大人になって活躍する場所…を表していると考えたことを①で述べましたが、表面的にはそれで合ってるのではないかと、思っています。

自分の気持ちを素直に詞に乗せていただけの楽曲が多いEve 様ですが、この楽曲では、エンターテインメントとしての音楽を意識され、自分の気持を羅列しただけではない、物語風の作品を作ろうとされたのかなぁとも思いました。

でも、その根底にはいつも通り、Eve 様の素直な気持ちが投入されていたのではないかと思います。

地下とは、「地下アイドル」の地下ではないのかと。元々は彼女らのライブハウスが地下にあったからつけられた言葉ですが、今では「メディアに露出しない、ライブハウスやネットを活動拠点とする、一般的に知られてない」アイドル…のような意味合いで使われる言葉です。つまり、その頃のEve 様をイメージしてたのではないかと思うようになりました。

僕らまだアンダーグラウンド
           ↓
僕はまだ「地下」で活躍してるに過ぎない

全くそんなことは言われた事もありませんが、心中では「もっと大きく、もっとメジャーになりたい」とのお気持ちがあったのかもしれないなぁと思うようになりました。親交のあった米津さんの大飛躍もそう思うようになっていった原因の一つかもしれません。そんな気持ちを周りに話しても「冗談で言っただけなんじゃないの?」とみんな嗤っていた…のかもしれません。
一回りも二回りも大きくなりたい…と思うEve 様と、それを認めない回りの人達との心の戦いの物語が、あったのかもしれません。明るく穏やかでホワンとしたEve 様しか知らない私達ファンが、誰も知らなかった物語が…。

コメント